一般企業で働く女性の平均的な年収は200万円後半(最近の調査によると約269万円)ですが、看護師の年収は日本看護協会によると、正看護師で年収475万円、准看護師で407万円程となっています。
看護師全体の平均年収は400万円を超えていますので、一般の女性労働者の年収とは大きく離れています。その差の要因の一つには、女性の労働人口約2600万人(男性は約3600万人)で男性の約42%に達するものの、女性労働者の過半数は非正規雇用労働者であり、このことが女性全体の年収を低くしていることが挙げられます。
看護師はこの内、約95万人が就業していますが定年まで働き続ける人は少なく、離職率の高い職業でもあります。年収が高い割に離職率が高い理由には、看護師の仕事の「きつさ」が非常に厳しいことにあります。
看護師の精神的・肉体的な過酷さは相当なものであり、終日ほとんど立ち尽くしの勤務、夜勤や深夜勤の夜間労働による生活リズムの狂いやすさなど自己管理には厳しいものがあります。その上に新しい医療の知識や技術の修得をも要求され、更に、患者さんとの接触には少なからず喜びもあるものの、かなりの精神的負担も強いられます。
特に介護関係の看護師には特に腰の痛みを訴える人が多くいます。
このようなことから看護師の意識調査では年収の高さについては、業務内容を考えれば決して高くはないという意見が多くありました。
このような厳しい労働状況を考えれば確かに金額の多寡だけでは推し量れないものがあるように思えます。