看護師の仕事がどのようなものかを考えた時、最初にイメージするのは入院患者の看護業務ではないかと思います。入院しているからには、それぞれの患者さんはそれぞれの症状や負傷のために入院を余儀なくされています。
症状によってはいつ容体が変わってしまうか分からない患者さんもいるので、看護師は24時間体制で看護を続けることになります。
もちろんそれは、1人の看護師がずっと看護をするというものではありません。勤務体系にもよりますが、複数人の看護師がそれぞれ交代で看護を行います。
勤務体系は大雑把にわけると2交代制と3交代制があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。
看護師の勤務体系は看護師、あるいは病院側の都合であり患者さんには直接は関係の無いことです。
患者さんにとって重要なのは、どのような看護を受けることができるのか。それによって自分の症状がどのくらいで回復するのかといったことです。
冷たい言い方をしてしまえば、患者さんにとって看護師の勤務体系は、ちゃんとした看護を受けることができるのであればどうでも良いことなのです。
どのような体制で患者さんを看護するかというのは患者さんだけでなく看護師を含むすべての医療スタッフにとっても重要なことなのですが、こうした看護体制についての情報は患者さん側に意外と知られていないものです。
看護師の仕事について知りたいという場合、ほとんどが交代制の体系や勤務時間帯のことを気にしているからなのかもしれませんが、どのような体制で看護を行うかということも、看護師にとっては重要なことです。看護学生はもちろんのこと、病棟勤務を経験したことのない看護師にとっても、看護体制のことを知っておくことは良い看護を実践するための助けとなることでしょう。
一般の人からすれば、看護体制というのは一般病棟と集中治療の違いくらいしか分からないものです。患者さんの容体によってどのような体制で看護を行うのが適切なのかは病院が検討して判断し、それに沿った形で患者さんを看護しています。
いくら患者さん側が看護師の勤務体系を気にしていないからといっても、どのような看護体制が自分あるいは家族にとって有効なのかを知っておくということは、患者さん側にとっては安心する材料になります。患者さんもそのご家族も安心して治療に専念できるように、こうした看護体制の違いやメリット・デメリットをきちんと患者さんに伝えることも必要なのではないかと感じます。